マスター方程式¶
個の二状態をとるニューロン (binary neuron) が相互に作用している確率的な系を考える. ニューロン の状態は 0 または 1 をとる状態変数 で表され, 系全体の状態はベクトル で表される (つまり, ). ここではこれらの状態変数の連続時間 に沿った変化を考えるが, 時間に関する依存性を表記上は省略して を と書く.
表記の準備をする. 番目のニューロンの状態を反転した状態ベクトルを , 番目の成分を除いた状態ベクトルを (つまり, ) と書くことにする. 形式的にかけば,
である. ニューロン 以外の状態 が与えられた時に, ニューロン が状態を から に遷移させる単位時間あたりの確率を で表す. つまり, 時間の間にこの遷移を起こす確率は,
である. ここでは, 系が時間 に 状態 をとる確率 の時間発展が, マスター方程式 (master equation) とよばれる次の微分方程式 [1] で与えられることを示す.
マスター方程式
(1)
[1] | 状態 が () 個あることを思い出せば, これは 次元常微分方程式と考えても良い. |